歯をぶつけた時の対処法

歯をぶつけた時の外傷

小児の歯の外傷

小児の歯の外傷は、からだの他の場所と比べて発生頻度が高く影響も残りやすいと言われています

歯の破折や歯肉からの出血を伴うため、子どもも保護者もあわてることが多いですが、適切な応急処置や症状に応じた対処が必要となります。

早めの対応が治療の予後に影響するため、症状がなくても歯科医院を受診することをおすすめします。症状が軽い場合でも、その後しばらくしてから歯が変色したり歯肉が腫れてくることがあります。

また、乳歯の場合は後から生えてくる永久歯に影響を与えることがありますので、永久歯と交換するまで定期的に確認して、受傷した歯の状態と次の永久歯の生え方を長期的に経過観察していく必要性があります。

外傷の処置について

①めまいや吐き気がみられる(頭部の外傷が疑われる場合)
頭痛や吐き気、めまい、嘔吐などがみられる場合は、子どもの意識状態や反応を確認して、歯科治療の前に医科の専門診療科(脳外科など)を受診することをお勧めします。

②歯肉から出血している、歯がグラグラしている、位置がずれた
まず止血を行います。ぬらしたガーゼなどで出血部位をきれいにしてから、清潔なガーゼなどで出血部位を押さえて止血を行います。歯ぐきが切れていたり、歯の根が折れていたり、歯の位置がずれていることも多いので、早めに歯科医院を受診しましょう。

③歯が欠けた
欠け方が軽度の場合は様子をみてから歯科医院を受診してもかまいませんが、大きく欠けた場合は神経(歯髄)まで達していること可能性があります。放置すると痛みが出たり、神経が死んでしまうので、早急に歯科医院を受診しましょう。

④歯が抜け落ちた(歯の脱落)
歯が抜け落ちた場合、条件がよければ歯を元の位置に戻す(再植)ことができます。一般的に、歯の組織が生きている脱落後の短時間のうちに再植すると予後が良いと言われています。できれば受傷後30分以内に処置することが望ましいため、脱落した歯を歯の保存液や牛乳につけるかラップなどに包んで、できるだけ早く歯医者さん受診をしましょう。